かゆみの原因cause of itch
かゆみの原因はさまざま
お客様から「このカユミの原因はダニですか?」とお問い合わせいただくことがあります。
屋内に潜むダニが原因でカユミがある場合、その犯人は「ツメダニ」です。でも、「ツメダニ」が原因のカユミと判断するには、家屋内のハウスダストを回収し、その中に「ツメダニ」がいることで、ようやく「そのカユミの原因がダニかも!?」と判断できます。
また、カミクチを見ただけではダニが原因と確定(診断)することは非常に難しいです。基本的には、お住まいの環境や噛まれた可能性がある場所、さらに、カユミの場所から、おそらくダニの可能性が高いと判断できるのみです。
実は、「カユミ」はいろいろなことが原因で起こります。以前にカユミの原因を調査した際には、カユミの原因は「ダニ刺され」ではなく「蕁麻疹(じんましん)」ということもありました。
そこで、「カユミ」の原因について代表的なものをご紹介したいと思います。
目次
「全身性」のカユミと「限局性」のカユミ
そもそも「カユミ」とは何でしょうか?
カユミは「生体に対する危険・危害を感知し、防御するための感覚の一つ」とされています。
つまり、身体が何かしらの危険を察知し、その防御反応として、皮膚や皮膚に隣接する粘膜に特異的に起こった反応の一つが「カユミ」です。そのため、侵入した寄生虫あるいは異物を除去することにあると考えられていますが、不明なことがまだまだ多いようです。
その防御反応が、全身に出た場合が「全身性」、身体の一部に出た場合が「限局性」となります。
全身性の痒み
全身性のカユミの原因には、以下のようなものが考えられます。
- ①内臓疾患
- ②寄生虫
- ③その他
- ①内臓疾患によるカユミ
肝硬変や糖尿病などの代謝異常症や悪性腫瘍などの疾患に伴いカユミが起こります。また、皮膚における症状が伴わないことも特徴の一つです。
- ②寄生虫によるカユミ
予防接種や公衆衛生が充実している日本ではあまり馴染みがありませんが、アニサキス症(回虫の仲間)や鉤虫感染症(十二指腸虫)などがあります。基本的には、蕁麻疹のような皮膚症状が認められます。
- ③その他の原因によるカユミ
主に心因性によるもので、ストレスやうつ病などでカユミが生じる場合があります。
限局性のカユミ
限局性の痒みには、以下のようなものが考えられます。
- ①虫刺咬傷が原因の皮膚刺激
- ②細菌や真菌による感染症
- ③接触皮膚炎
- ④その他
- ①虫刺咬傷が原因の皮膚刺激によるカユミ
蚊、ダニ、ハチ、シラミ、毒クモなどに咬まれたり、刺されたりして起こる皮膚のカユミです。一般的には、刺咬時に注入される唾液などに含まれる化学物質に対して起こるアレルギー反応です。
- ②細菌や真菌が原因の感染症によるカユミ
クラミジア症やカンジダ症、淋菌感染症などの性感染症やカユミを伴う水虫、水ぼうそう、とびひ(伝染性膿痂疹)などがあります。こうした感染症の多くは、その原因である細菌や真菌(カビなど)を患部から取り除いたり、対処療法としてカユミを抑えたりします。
- ③接触皮膚炎によるカユミ
皮膚に接触した物質による刺激が原因で起きる炎症をさします。一般的な「かぶれ」がこれにあたります。この原因として、酸やアルカリ、汗や熱、乾燥や蒸れなど刺激による場合と、金属やゴム(ラテックス)などによるアレルギー反応があります。
- ④その他の原因によるカユミ
アレルギー性疾患であるアトピー性皮膚炎や花粉症、ヒゼンダニによる疥癬、皮膚筋炎などがあります。
ツメダニとダニ刺され
ツメダニの生態
ミナミツメダニ(左: 実体顕微鏡, 右: 光学顕微鏡)※その他、ホソツメダニやフトツメダニ、クワガタツメダニなどが存在
オスよりメスの方が大きく、触肢が発達している。
稀に人を刺咬、皮疹を起こす。夏季に発生しやすい。
ツメダニは屋内に潜むダニの4~5%を占め、最も多い時期が7~9月です。
コナダニ・チリダニなどの他のダニ類、チャタテムシ等の体液を吸ったり、稀に共食いすることもあります。
以前は、畳で繁殖したチャタテムシやコナダニをエサにして増えていたため、畳における害虫被害として報告されていました。近年では、チリダニをエサにして繁殖しており、チリダニが多い布団やじゅうたんで生息しています。
「ツメダニによる刺咬症は偶発的なもので、畳表面1㎡にツメダニが1匹以上見つかると被害が始まる」と報告されているように、ツメダニは積極的に人を襲わないものの、畳表面1㎡にツメダニが1匹でもいると「ダニ刺され」が起こる危険性があります。
ツメダニによる「ダニ刺され」の特徴
「ダニ刺され」は、お医者様が刺され痕を見ても、ダニかどうかの判断が難しいとされています。
一般的には、「他の虫刺咬症である可能性を排除」し、「ダスト検査によるツメダニの存在確認」を行うことで、ツメダニによるダニ刺されと判断することができます。
でも、一般の方がこうした検査をご自身で実施するには非常に難しく、その検査を依頼できる機関を探す手間や検査費用を考えると、「ダニ刺され」と断定することに前向きに取り組むことができません。
でも、判別が難しいとされるダニ刺されにもある特徴があります。
- ①肌が露出していない場所にも症状が見られる
- ②カユミが強烈
- ③〜2日程度で症状が見られ、1週間程度で症状が改善する
- ④高温多湿の畳の部屋で起こりやすい

その他にも、肌の比較的柔らかい場所に症状が出やすい、ツメダニが最も多い7〜9月にダニ刺され被害が多くなる、などの特徴もあります。
ツメダニによるダニ刺されと断定することはできませんが、こうした項目が多く該当する場合は、「ツメダニによるダニ刺され」の可能性を疑いましょう
ツメダニによるダニ刺され被害を減らす方法
ツメダニによるダニ刺され被害が疑われた場合、「① 間接的に」もしくは「② 直接的に」ツメダニを減らすことが大切です。
- ①[間接的な対策] ツメダニのエサとなる虫を減らす
ツメダニのエサとなる「チリダニ」などを直接減らす、そして、繁殖させない環境づくりが大切です。
その具体策は以下の通りです。- (1-1) チリダニのエサとなる垢やフケ、ハウスダストを取り除く(掃除機、洗濯など)
- (1-2) お部屋やお布団などにこもった湿気を取り除く(除湿機、天日干しなど)
- ②[直接的な対策] ツメダニを取り除く
ツメダニを物理的に取り除いたり、退治する方法です。
その具体策は以下の通りです。- (2-1)水拭きや掃除機がけによりツメダニを物理的に取り除く
- (2-2)ツメダニに効果のある退治商品を購入する
(2-1)は内部に潜むダニに効果は見込まれませんが、表面にいるダニに対する効果は見込まれます。(2-2)に関して殺虫剤であれば、ハエや蚊に効果があるとされる殺虫成分は、ダニに対して相対的に効果が低いため(殺虫成分が効きにくいため)、どういった成分を有効な濃度でツメダニの生息環境まで届くのかなど注意が必要です。
こうした対策は、ツメダニだけでなくツメダニのエサであるチリダニに対しても効果が見込まれます。
チリダニは喘息や鼻炎などのアレルギー性疾患に強く関わっているため、カユミの原因が「ツメダニによるダニ刺され」と断定できなくても、健康を維持するためにも総合的なダニ対策として実施してください。
ツメダニ対策としてダニ捕りロボをお勧めする理由
ツメダニ対策として「ダニ捕りロボ」「ダニ捕りマット」をお勧めする理由があります。
それは、以下のようにどちらの対策効果も持ち合わせているためです。
- ①[間接的な対策] ツメダニの餌となる虫を減らす
- ②[直接的な対策] ツメダニを取り除く
ツメダニに対する誘引剤の乾燥退治効果(480倍速)
「ツメダニ」だけでなく、「チリダニ」に対しても非常に高いダニ退治効果を有しているので、各健康被害をもたらす「ツメダニ」と「チリダニ」の両方に対する対策を、置くだけで簡単に実現できます。
「ダニ捕りロボ」や「ダニ捕りマット」を開発した日革研究所は、屋内ダニに関する研究を20年以上続け、これまでに国内国外合わせて10000件以上製品モニターを実施し(2020年6月現在)、今なおダニの生態や製品効果を追求し続けています。
是非、ツメダニやチリダニの対策としてご活用ください。
参考文献
倉石泰. かゆみの受容メカニズム (セミナー,< 特集> 痛みとかゆみ). ファルマシア, 2005, 41.3: 229-233.
今町憲貴. 痒みの神経機構. 日本臨床麻酔学会誌, 2018, 38.3: 322-329.
吉川翠. 住まいとダニ. 家政学雑誌, 1986, 37.8: 723-727.
小峰裕己. 室内微生物汚染 ダニ・カビ完全対策, 井上書院, 2007.
